栗の渋皮煮の作り方
ちゃんと料理教室で習った料理とは違いますが、親から子へ、受け継がれる日本の味覚を大切にしたい。
手間がかかって、作る過程はとても働く主婦向けではありませんが、作ってしまえば冷凍しておけるので、栗の季節以外でも食べられますよ~!
また、自分で丹精こめてつくった栗の渋皮煮は、愛情たっぷり、我が子のように愛おしいです。
目次
栗の渋皮煮って?
栗は、イガの中に入っていますが、都会の人は見たこともない人がほとんどではないでしょうか?
栗拾いにいっても、ガイドさんが、わざわざまいておいたりしますからね(^-^;
潮干狩りのあさりみたいですね~(笑)
一般的には、お店で見ることになるのですが、その時にはいわゆるオニガワをかぶった状態の栗にお目にかかります。
茶色くて、固い、栗の外側を覆った鬼皮です。
それが、中の栗を守っているんですね。
その鬼皮をむくと、その下には渋皮というものに覆われています。
栗ご飯なんかは、その渋皮をむいて、実の部分だけを食べるわけなんですが、
渋皮のまま、煮て食べるのが
『栗の渋皮煮』
です。
渋皮にはとても強いアクがあるので、普通はむいてしまって食べるのに、わざわざ渋皮を残して調理するという料理法なんですね。
どうしてそんなことするんでしょうね?
アク抜きして非常に薄くなった渋皮のおかげで、栗ひとつひとつの形状が保持されて、とてもキレイですから。
和栗は、実に水分が多く、そのままではとても崩れやすいので、あえて渋皮を残し、
また、皮を残すことで、栗の風味をしっかりと閉じ込めていて、
とても栗らしい味がして、大好きな一品です。
栗の選び方
・穴の開いていないもの
雨の多かった年は、要注意です。
虫がひそんでいる可能性が高いです。
鬼皮をむいていて、虫が「こんにちは」していたらがっくりです。
気持ち悪いですし、渋皮煮としては使えません。
その場合はその部分を切り捨てて、栗ご飯などに使ってください。
・ツヤツヤとしたもの、黒くないもの
おいしそうな物は見ていてなんとなくわかるものです。
黒いものは傷んでいることが多いです。
栗の”いきいきした色”を見つけてください。
・実がつまって重いもの
ぷっくりして重いものがよいです。
やせているのは古いものが多く、むいても変なニオイがしたりします。
色とともに、見た目重視です。
・新しいもの
信頼できるお店で購入されるのがよいです。
処分品で安売りしているものは、それなりだと思ってください。
新しいかどうかは、先に書いた、色や重みである程度判断ができますので、よく見て買うことをおススメします。
とにかく、栗そのものをシンプルにいただく料理なので、素材の栗が命です。
美味しそう!
と思える栗だけを購入してください!
雨の多い年は私は栗を買うのを見送ることもあります。
収穫量が少ないので価格が高い上に、
虫つき8割・・・なんてこともありますから!
栗には品種がいくつかありますが、購入する場所によって、自分で選ぶことはほとんどないので、詳細は書きませんが、関西で『丹波栗』というブランド栗が有名で、それは『銀寄せ』と言われる種類で、とても立派で甘みがあって美味しいのですが、収穫量が少なく、弱いので、全国で食べられることは難しいかもしれないですね。
関西の百貨店では『利平栗』も立派で、よく売られていますが、形や味が微妙に違います。
チャンスがあればいろいろと食べ比べてみてください。
栗の渋皮煮のレシピ
栗の渋皮煮材料
栗 1パック
氷砂糖 むいた後の栗の重さの1/2量~同量(私は75%位にしています)
重曹 大さじ1×2(アクが強い時は3)
栗の渋皮煮作り方
栗は買ったらすぐにビニール袋に入れて冷蔵庫に入れておきます。
働いていたら、すぐに取り掛かれないけど
「おいしそうな栗に出会ってしまった!」
それは購入しないとね!
それでも傷むのが早いので2~3日後には使ってください。
私はいつもなんとなく(忙しさにかまけて)そうしていましたが、低温でしばらくおくことで糖度があがるそうですよ。
そして、調理前夜にボウルに多めの水を張り、栗をつけておきます。
これは、鬼皮を柔らかくするためです。
朝につけておいて、夜にむいても大丈夫です。
つけてある栗の中で、浮いているものは虫食いや、傷んだものなので、取り除きます。
そして鬼皮をむくのですが、
ここがとてもとても大変です。
鬼皮に傷がつくとそこから実がはぜてしまいます。
なので栗の渋皮煮から外してあげないといけなくなるんです。
シロップがにごって全体が美しく仕上がらないからです。
ここは気を許さずに、丁寧に丁寧にむいてください。
油断するとすぐに”チョン”と傷つけてしまいます。
これが、この料理の一番大変なところです。
がんばってください。
むいたら乾燥しないように水につけておきます。
渋皮をきずつけてしまったら、別にしておき、後で渋皮までむいて、別の料理に使いましょう。
全部むけたら、むいた後の栗の総重量を計っておきます。
そして鍋に栗がちゃんと浸かる量の水を入れ、重曹を大さじ1程度を溶かし、栗を入れて火にかけます。
初めはやや強火でもよいですが、沸くより前に火加減を落とし、ぐらぐら煮立てないように気をつけます。
弱火で、5分ほど煮ると、アクがたっぷりでてきます。
アクで真っ黒になってきます。
そうしたら、火からおろし、水をちょろちょろ入れて、水が入れ替わるまで流します。
急激にザルに入れて水につけることはしません。ゆっくりキレイにします。
そして、栗を一粒ずつ優しくなでてキレイにします。
ここで、スジとかを取ろうと無理をすると栗を傷つけてしまう恐れがあります。
まだ同じ作業をするので、無理に取ろうとせず、さらっと洗って、鍋をきれいにしてもう一度同じことを繰り返します。
お水を張り、重曹を入れて、栗を入れてアク抜きをします。
先ほどよりはアクが少ないのがわかると思います。
そして、もう一度水の中で、キレイにします。
ここでも無理にはがそうとはしないでください。
まだチャンスはあります!
ここで、栗の状態をみて、色が抜けて、ツルっとした感じで、栗の縞模様がでてきていますか?
まだゴワゴワしているようならさらにもう一度同じ作業をします。
きれいになっていたら、今度は重曹を入れずに湯がきます。
そしてこれが、アク抜きの最後になります。
火からおろしてまた鍋に水をちょろちょろ入れて、すっかり水が入れ替えられたら、仕上げの掃除をします。
どうしても取りにくいものは竹串でそっと取ってOKです。
栗たちがつるつるになってきました。
今度はシロップに栗をつけて甘く味を含ませていきます。
栗がちゃんと浸かるギリギリの量の水を鍋に入れ、砂糖を入れるのですが、
氷砂糖を使っています。
味がすっきりしていることと、だんだんと溶けて甘くなっていくところがいい感じなんです。
クッキングペーパーで落し蓋をして味を含めながら弱火で煮詰めていきます。
これが、冷める時にしっかりと味が入っていきます。
香りづけにブランデーを入れようと思う人は、この熱いうちに入れて、アルコールがやや飛ぶようにします。
しっかり冷めたら、保存容器に移し替えて冷蔵庫で保存します。
一晩味を含ませたら、おいしい栗の渋皮煮のできあがりです。
栗の渋皮煮の保存方法
このままで、清潔に扱えば、1週間くらいはモチます。(甘いものほどモチはいいです)
長期保存したい場合は冷凍できます。
シロップごとジップロックやタッパーに入れて冷凍してください。
食べる時は冷蔵庫で解凍してください。
まとめ
和栗は味が深くてほっくりしていて本当においしいですよね。
・キレイで虫食いのないぷっくりとしたつやつやの栗を見つけたら即買いしましょう。
・一晩水につけた栗を鬼皮だけ傷つかないようにむきます。
・栗は乾燥しないように常に気をつけます。
・時間をかけて2~3度、重曹を入れてアクを抜いたら大切に栗をお掃除します。
・シロップに栗をつけてじっくり味を含ませてできあがりです。
手をかけて仕上げた栗の渋皮煮は、冷凍しておき、1年中楽しめます。
お正月には手作りの渋皮煮が並ぶのが嬉しいですね。
本日もありがとうございました!